伊香保の“先生”と“大女将”

2007.30

初体験というのは何事でもドキドキして人間にある種の感動と成長を与えるものなのかも知れない・・・。
真夏の暑さの中にも関越道は真っ青な空にうろこ雲やすじ雲が出てまるで秋の空を思わせるようなきれいな日であった。愛車のベンツに後部座席には商工会長、助手席には法人会東松山副支部長を乗せていたので、私は大事な人に万が一のことがあってはならないという緊張感からかいつもとは違うハンドル捌きで群馬の伊香保温泉のホテル福一へと向かっていた・・・。

 

この日は法人会東松山支部青年部の依頼で“研修会の講師”という生まれて初めての経験をしなければならなかったのである。世の慣わしでは講師の先生にはお迎えの車が付き物であるのだが、今回はまだ海のものとも山のものとも得体の知れない“先生”であるので致し方がないと本人が申し出た結果がこう云う形になった。私は人一倍控えめで奥ゆかしい性格なのでいずれ“大先生”になったとしてもお迎えの車に身を沈めるようなことはないだろうと思う・・・。

演題は「東上線と街おこし」で、一応この分野では人より先んじて研究をしているし実績資料が奏功したのか、人前で約一時間話すという“初体験”であったが、聞いて頂いた法人会の顔見知りの皆様方のお陰もあって信じられないことだが、比較的平常心で落ち着いて思うことの90%を喋れたのには自分でも驚いたくらいであった。それはこの日に向けて欲張らず、気負わずに平常心で!と自分に言い聞かせた暗示の成果と昼食でビールと鰻と蕎麦をお二人の大先輩に奢ってもらったお陰だったと思われるのである・・・。

人間は未知なる世界にいつもチャレンジしなければ新たなる発見は無いのだ!などと充足感に浸りながら福一の露天風呂でのんびりと疲れを癒した後、気の置けない皆様と過ごした宴会と二次会の楽しかったひとときは又自分の人生に忘れがたい思い出の1ページとなった・・・。

そして翌朝、“福一”のロビーで久しぶりにお会いした伊香保温泉の名物女将として全国的にも名高い福田幸子大女将を囲んで商工会長をはじめとする諸先輩と共にコーヒーと美味しい水を飲みながら昔話に興じたのも誠に思い出深いものとなったのである。
このホテルには今まで何度訪れたか数え切れないが、素晴らしい和服姿の大女将のもてなしの心と知性そして若かりし頃の美しさを彷彿とさせる姿に接して、全員でこれ又初めてのこととなるロビーでの記念撮影をしたのであった。
捉え方ひとつで人生に潤いが生まれるということを新たに知った伊香保温泉での研修会となったのである・・・。