| 時代の変遷と共に鉄道が通ると東松山駅周辺が中心地となり、次第にこの界隈は旧市街地と呼ばれ人通りも少なくなり、世間から忘れ去られるようになっていく・・・。
遠い昔、上沼(男沼)に身を投げた“与四郎”と下沼(女沼)に入水した“まつ”の悲恋の言い伝えがある底なし沼であったが、今ではすっかりきれいになり市民の憩いの公園として春は桜の名所、夏は柳、秋の紅葉と一年を通じて自然が美しい場所である。
この悲恋の二人の契りを叶え、440年ぶりに供養、鎮魂しようということから幻想的な和紙の光のイベント『夢灯路』が昨年から始められた。
今年は4月の8日(土)、9日(日)のちょうど桜が満開の時であったので、沼の水面に写る灯りと桜そして無数の灯路が醸し出す心温まる幽玄な光の調和は訪れる人を何とも言いようのない日本的な風雅の世界へといざない、夜陰に鳴り響く太鼓の音、東松山音頭にオレンジ色の浴衣姿の民踊流しの光景はまさに鎌倉時代の祭りそのものであった・・・。
二つの沼を結ぶ“夢小路”を歩いて男沼と女沼を参拝すれば二人の恋が成就すると言い伝えられ、遠い昔からこの界隈は色町としても栄え、独特な文化を形成していた。時代は繰り返すと良く言われるが、今、このノスタルジックな横丁路地に光を当てて、東松山のまちおこしスポットとして都会人に売り出していこうということで去年からこの企画がスタートした。
2回目の今年はしっかりと準備をし、名物の焼き鳥を始めとする多くの飲食模擬店も出店してさらには琴や小唄などの和風の演奏からフォークコンサートなどもあり、多くの人が繰出した。NHKや新聞各社の報道もあり、訪れた人は何と2万人を越える盛況となったのである。
何もしなければ街は寂れていくだけです。その土地独自の自然、歴史、文化を生かした“まちおこし”にみんなで夢を持って行動すればそこには人の心を動かす大きなパワーが生まれ、街は再び活力を取り戻すものと確信した今年の夢灯路だったのである。 |